KOTOBAYA ブログ

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「きずな?」それとも「きづな?」 11:38
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    「新党きづな」でにわかに活発になった絆論議。最初は「新党きずな」とする予定だったものが、途中で語源にこだわって「新党きづな」にすることにしたそうです。さて、これをどう思われるでしょうか。


    仮名遣いには歴史的仮名遣いと現代仮名遣いがありますが、私たちが現在使用している仮名遣いにおいては、「じ/ず」を本則としながら「ぢ/づ」でもいいとしているものがいくつかあります。例えば、いなずま(稲妻) さかずき(杯) せかいじゅう(世界中) うなずく ゆうずう(融通)などです。これに従えば、「きずな」を本則とするけれども、「きづな」と書いても別にいいということになります。


    「絆」は、絶つことのできない人と人の結びつきという意味ですが、語源をたどると、動物をつなぎとめる綱(騎綱など)に由来しています。ですから、あえて語源にこだわるというのはどういうことなのだろうと不思議に思いました。


    あくまで個人的な感想ですが、「きずな」とすることで、窮屈な語源から自由になって、人と人とが心で結びついている新しい意味をそこに持たせることができるように感じられるのですが、いかがなものでしょう。


    さて、党名はともかくとして、「新党きづな」さんが、人を縛りつける「騎綱」になるのか、それともしっかりと団結した「絆」になるのか、実はそっちのほうが大切なのでしょうね。

     

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    子供、子ども、こども、どれを使いましょうか? 02:30
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       「子供」「子ども」「こども」など、コドモの表記にはいろいろあります。「子」も「供」も常用漢字なので、普通に考えれば「子供」でいいわけですが、「子ども手当」とか「認定こども園」など、政策を決める側でも表記を統一しているわけではありません。


      私はといえば、実は過去に教職に就いていたことがあるので、「子供」と表記するのはちょっと抵抗があるんです。なぜなら、教育界では「子ども」と書くのが通例だからです。根拠ははっきりしないのですが、たしか「供」というのはお供の意味があって、大人のおまけ扱いは子どもが主役の学校ではふさわしくないと教わった記憶があります。どうやら、それがすっかり刷り込まれてしまっているようです。

      あるいは別の説もあります。「供」という漢字は小学校6年生で習うので、小学校ではほとんどの期間を「子ども」とまぜ書きにして過ごします。そのため、学校では「子ども」と書くのが一般的になってしまったという説です。本当でしょうか。私が中学校に勤めていたときは、ほとんど「生徒」を使用していましたので、そのあたりの記憶はあいまいです。

      これと似たようなケースに「才」と「歳」があります。本来であれば「7歳」とか「8歳」と書くべきところを、お子さんに配慮して「7才」「8才」というように画数の少ない漢字を便宜的に使用したところ、それが一般的になってしまったようです。これは学校現場というよりは広く社会の中で使われてきました。すっかり浸透してしまった向きもありますが、もともとは「才」の字に年齢を表す意味はありませんでしたので、大人になったら、ちゃんと「28歳」とか「35歳」と書きたいところです。えっ、私は何歳かですって? それはトップシークレットですよ。

      いずれにしても、言葉というのはそれぞれいろいろなストーリーを持っているものですね。でも、法律で表記法が決められているわけでも罰則があるわけでもありませんから、固有名詞以外であれば「子供」でも「子ども」でも「こども」でもいいわけです。私は文書作成を仕事にしているのでやはり制約がありますが、そうでなければ、自分が一番しっくりくる表記を用いるのがいいですよね。

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      「もっけの幸い」 どんな幸い? 10:11
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        思い違いをしている言葉って誰にでもありますよね。


        子どものころ、「台風一過の青い空」という言葉を聞いて、すっかり「台風一家」だと思い込んでいた時期がありました。台風さん御一家が青い空を持ってきたというのもおかしな話ですけれどもね。


        また、よく聞くのは、童謡の「赤とんぼ」の歌詞で、「負われて(背負われて)見たのはいつの日か」を、「追いかけられて」という意味だと思っていたとか、「ふるさと」では、「うさぎ追いしかの山」を「うさぎがおいしい」だと思っていたとか、とかく耳からだけの情報は思い違いが起こりやすいものですね。


        そうそう、こんな話もあります。古い話で恐縮ですが、「巨人の星」が大はやりだったころのことです。「思い込んだら試練の道を〜」とテーマソングが流れると、そのバックに星飛雄馬がグランドをならすための大きなローラーを引っ張っている映像が流れます。それで友達は、あのローラーが「コンダラ」という代物で、「重いコンダラ」だと思い込んでいたというのです。これには大笑いでした。


        お恥ずかしい話ですが、実は最近、ずっと思い違いをしていたことに気づいた言葉あります。それが「もっけの幸い」です。もっけの幸いとは「思いがけない幸運」という意味だということは分かっていたのですが、「もっけ」は「もうけ」が転じたものだろうと思い込んでいたのです。「もうかったぞ、ラッキー」という感じです。本当に恥ずかしい話です。


        この「もっけ」とは、実は「物の怪」の意味でした。物の怪というのは人にとりついたりする生き霊のことです。つまり、「もっけの幸い」とは、「これは自分が願ったことじゃない。きっと物の怪か何かの力だよ=思いがけない幸運」という意味だったんですね。


        これを知ったときには非常にショックで、まだまだ修行が足りないと思い知らされました。皆さんは、思い違いをしている言葉はありませんか? 

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        「被ばく」という言葉 14:47
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          反訳の仕事していて、最近急に多く使うようになった単語に「被ばく」があります。大変残念なことですが、これからかなり長い間、私たちはこの言葉に向き合っていかなくてはならないようです。


          「ひばく」は、ご承知のように「被爆」と「被曝」と「飛瀑」の3つの熟語がありますが、ここでは「飛瀑(=高い所から落ちる滝)」を除き、「被爆」と「被曝」について考えてみたいと思います。


          「被爆」は「爆撃を受けること。原水爆による攻撃を受けること、また、その放射能の害をこうむること」の意味で、悲しいことですが広島と長崎の場合はこの表記となります。

          一方で「被曝」は「放射能にさらされること」の意味で、まさしく今回の福島第一原子力発電所の事故による影響がこれにあたります。「曝」は「曝す(さらす)」という意味ですね。福島では低線量の長期被曝が心配されています。


          議事録で使用する『標準用事用例辞典』(社団法人日本速記協会)では、「被爆」も「被曝」もそのまま漢字で表記するように指定されていますが、「曝」は常用漢字ではありませんから『新聞用事用例集』(時事通信社)などのいわゆるマスコミ表記では、被曝のときは「被ばく」と仮名と漢字を交ぜて表記します。つまり、「被ばく」とあれば、これは「被曝」のことを指しているというわけです。


          ちなみに「飛瀑」は「飛瀑(ひばく)」というふうに単語全体の読みを示して表記することになっていて、「飛ばく」とは書きません。


          私の娘が通う学校でも校庭の表土を削ったり校舎を洗浄するなどの対策が講じられて、それなりに効果も上がっているようなのですが、もしも可能であれば地域全体をごしごし洗ってしまいたい衝動にかられます。とにかく、一日も早い収束を願うとともに、たった今も懸命に作業にあたっておられる方の安全を祈らずにいられません。

           

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          初心に帰る? 初心に返る? 14:43
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            音声を文字に起こすとき、表記に迷うことが多いのが、この「かえる」です。


            初心にかえる、童心にかえる、原点にかえる、われにかえるなど、「かえる」にもいろいろありますが、この使い分けがなかなか厄介です。文芸作品を読んでいても、ある人は「返る」を使い、ある人は「帰る」を使っていることもあり、ますます謎は深まるばかりです。どうしても判断がつかないときは「かえる」と平仮名で逃げ切ってしまうこともできますけれどもね。


            基本的な考え方として、「返る」は物事に対して使われるのに対し、「帰る」は人に対して使われます。ただ、「帰る」にする場合、人に使われていたとしても、そこには気持ちが働いていなければなりません。


            つまり、はっと「われにかえる」ときは、偶然か、もしくは外からの刺激でそうなったので「われに返る」となり、「初心にかえる」ときは、意志としての作用が強く働いているので「初心に帰る」のです。何だか面倒ですね。


            原点にかえる場合、初心と同じように心構えとしての意味合いが強ければ「原点に帰る」となりますが、何かの仕事をしていて、成り行きで原点に戻ることになった場合には「原点に返る」わけですね。


            同じ理由で、童心にかえるも、一般には「童心に帰る」と書きますが、酔いつぶれて自分の意志とは無関係に子どもみたいになってしまった場合は、もしかしたら「童心に返る」にしてもいいのかもしれません。

             

            ほかに「還る(走者がホームに還る)」や「孵る(ひなが孵る)」もありますが、これらについては「かえる」と平仮名で表記することになっています。


            さて、私も慣れや思い込みにとらわれず、初心に帰って仕事をしていきたいと思っています。

             

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            虫がいい話です(?) 13:48
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              私たちは会話の中で、「それは虫がよすぎるわ」とか、「どうも虫が好かないやつだ」「彼女、虫の居どころが悪かったみたいね」というように、「虫」という言葉をよく使いますよね。これ、どうして「虫」なのか不思議に思いませんか?


              私たち日本人は昔から、自分の中には虫がいて、その虫は自分の理性ではどうにもならないものだと考えていたようなんです。赤ちゃんがかんしゃくを起こしたりすることを「疳(かん)の虫」と言ったりするのも同じですね。


              ですから、ずるい考えが浮かんだとしても、それは体の中の虫が勝手に考えたことであり(虫がいい)、生理的に好きになれない人も、それは体の虫が嫌いだと言っているのであり(虫が好かない)、不機嫌になって周囲をドン引きさせたのも、体の中の虫が落ちつかなかったせい(虫の居どころが悪い)というように、すべて虫のせいにしちゃったんです。


              都合の悪いことを見えない虫のせいにして済ませてしまうなんて何ともユニークな発想ですが、実際、ほんの数十年前までは体の中の寄生虫なども今よりずっと多かったでしょうから、こういう考え方も理解できる気もします。


              そういえば、「虫の知らせ」というものもありますね。迷信のたぐいかなと思っていたのですが、実は私、母が亡くなるときに本当に「虫」に知らせてもらいました。科学的ではない話をするのは非常にためらわれるのですが、こればかりは本当で、いまだにとても不思議に思っています。


              いずれにしても、虫とうまくつき合いながら、虫に自分の体を乗っ取られないように気をつけて生活していかなければなりませんね。

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              歩いて帰る? 歩って帰る? 16:50
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                福島では、「歩いて(あるいて)」 を 「歩って(あるって)」 と言うのは普通のことです。「歩っていこうよ」「歩ってきたの?」などと使います。もちろん、「あるって」と打ち込んでワープロソフトで変換しようとしても「歩って」とは出てきません。つまり標準語ではないのです。でも、使っている本人に方言だという自覚がないので、無防備に使ってしまいますよね。実は私もそうです。

                気をつけないと、一発で田舎者だとバレてしまうなと思っていたら、実は首都圏の一部でも使われていると聞いて少し安心しました。そうはいっても決して全国的な使われ方はしていないようで、南東北から北関東あたりに限られているようです。本当かどうか確かめることはできませんが、みなさんの地域はどうでしょうか。

                ただし、首都圏で使われているとなると格が上がる(?)のか、「歩って」は明らかな方言扱いではなく「例外的な標準語」に入るのだそうなのですが、そうなるとますます複雑です。
                 
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